【日本神話】 第2巻「高天原編」 第2章 天の岩戸
誓約で身の潔白を証明したスサノオは、高天原(たかまがはら)に居座ってしまいました。そして、田の畔を壊して溝を埋めたり、御殿に糞を撒き散らしたりの乱暴を働きました。他の神はアマテラスに苦情をいいますが、アマテラスは「考えがあってのことなのだ」とスサノオをかばいばいました。
しかし、アマテラスが機屋で神に奉げる衣を織っていたとき、スサノオが機屋の屋根に穴を開けて、皮を剥いだ馬を落とし入れたため、驚いた1人の天の服織女は梭(ひ)が陰部に刺さって死んでしまいました。
アマテラスも最初は、スサノオノを寛容な気持ちで受け入れていたのですが、スサノオがあまりにも好き勝手なふるまいをするので怒ってしまい、とうとう天の岩戸(あまのいわと)に隠れてしまいました。
高天原はすっかり暗くなり、地上にも日が照らなくなってしまいました。(これは今でいう日食の現象だともいわれています。)
高天原では、神々は大いに困り、何とか元の明るさを取り戻すために天の安河に集まって会議をしました。オモイカネ(思兼神)の発案により、岩戸の前で様々な儀式を行うことにしました。アマテラスの気を引こうと、岩戸(いわと)の前で飲めや歌えの大宴会を開きました。アマテラスは外があまりにもにぎやかで楽しそうなので、岩戸の隙間からそっと外をうかがったところ、力のある神様が思いっ切り岩戸を開け放しました。このときに岩戸の前で、アメノウヅメ(『古事記』では天宇受賣命、『日本書紀』では天鈿女命)が踊ったのが神楽(かぐら)のはじまりという説もあります。
こうして高天原(たかまがはら)と地上は元の明るさを取り戻したのですが、スサノオノミコトはとうとう高天原を追い出されてしまいました。
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